2017年9月24日@越後水無川北沢


◎参加者:高山

0515 出発

0615 デトノアイソメ

0630 滝ノ沢出合

0850 関門ノ滝下

0930 北沢出合

1250 極楽尾根1870m付近

1500 十二平登山口

1535 駐車場

会社同僚の元ボクサーと泊りで行く予定だったがドタキャン。ヤツも結婚を控え仕方ない。土曜も天気悪く、日曜日帰りの一人旅。

未明南天にオリオン座を見上げ、気合を入れる。ススキの穂を手折りつつ朝露に濡れた道を行く。 十二平先から踏み跡になり、笹花沢出合で不明瞭になり沢に降りる。

デトノアイソメ右岸台地に巨大な雪渓ブロックを見る。暗い谷底から振り返ると入道岳上部に陽が当たりはじめた。しばし河原状を滝ノ沢出合・暗峡と先を急ぐ。

オカメ沢先のゴルジュ入口CS滝で出鼻を挫かれる。左のシャワークライム・残置ハーケンがある右・さらに右の側壁と逡巡。結局、外傾した右側壁を必死の思いで草付まで上がる。行く手にゴルジュと雪渓ブリッジが見えるので、そのまま巻きに入る。 ルンゼまで進むと雪渓の全貌が見下ろせる。ブリッジではなく完全な雪渓である。 乗るも潜るも問題外。巻くにしろ左岸はスラブ・草付でブッシュまで遥かに高い。 最初の滝が直登できずリズムを崩しており弱気になるが、すぐに灌木を伝うラインを読むことに集中する。この先の雪渓の状態が怖いがトラバース開始。御月山沢手前で残置スリングが5本も括られた灌木を見つける。しかし真下がハングしている上に、懸垂しても雪渓シュルントに降りてしまうだけだ。無視して、灌木沿いにルンゼを上がりスラブをクライムダウン。さらに灌木を伝って沢に戻る。

関門ノ滝

関門ノ滝

リズムを取戻し、次々に滝を直登してゆく。関門ノ滝手前で釜を抱えた急ナメ滝が連続するのを左から巻く。一旦、灌木帯まで上がるが、傾斜が緩いので、草付を掴んで斜めにトラバースしてゆく。白い大きな滝が見えてきたので、クライムダウンすると関門ノ滝だった。草付登りの直後なのでホールド豊富な乾いた硬い岩が殊更快適だ。調子に乗って落ち口横でボルダリングを楽しむ。 関門ノ滝上からナメ滝が連続するが、ゴム靴のフリクションを活かして全て直登してゆく。何も考えずに肉体が四つん這いになり、渓の獣に同化してゆく。

幣ノ滝

幣ノ滝

正面に巨大な滝が見えてきて我に返る。陽が当たりはじめた幣ノ滝の落ち口が眩しい。この先に巨大な滝はないはずなので人心地着く。陽の当たる平坦地で横になって体を温める。秋の風が涼しい。二人なら、ここでビバーグする予定だった。岩場なので、ツエルト・タープよりゴロ寝かテント向き。

北沢 大ナメ滝

北沢 大ナメ滝

北沢の大ナメ滝は一気に高度を稼ぐが、休憩直後で体が大儀だ。いくつか滝を越えると、大きな2段ナメ滝に出る。左スラブからも登れそうだが、大事を取って右草付から灌木ラインで落ち口に出る。 いきなり渓は狭く滑らかなゴルジュに変相する。突っ張り・飛びつきが素晴らしく楽しい。そしてゴルジュを抜けると、高い側壁の下に明るい河原が広がっている。色づき始めたグシガハナと青空を見上げる。これほど明るくこれほど変幻する沢があるのか。このまま終わってしまっても構わないほど幸せだ。

河原

河原

 

 

河原歩きしばらく、水が冷たくなり、側壁が高さを増し、あるべき場所にあるべきものが眼に入ってくる。崩壊した雪渓ブリッジ。潜ることも巻くこともできない。

一つめはハンマーのピックを振るって登った。

二つめはいくぶん傾斜の緩い左側壁シュルントをチムニー登りする。雪渓の汚れが側壁に乗っており泥だらけになる。右手でプッシュして体をズリ上げるが、高巻きで酷使した腕が攣りかける。どこかでブリッジの崩壊する轟音が響く。

クライムダウンした雪渓ブリッジ

クライムダウンした雪渓ブリッジ

三つめはブロックを簡単に登っていったら、最奥のブリッジだけ落ちずに残っていたのに乗ってしまった。高さは3階建の家くらいだろうか。懸垂も巻きも考えずに、右シュルントからオーバーハングした側壁を覘きこむ。外傾気味の左ホールドを固めて、雪と岩の隙間に右手をガストンしつつ体を入れ替え右足を遠い足場に伸ばす。しかし途中でムーブの無謀さに気づき、途端に体が動かなくなる。雪にガストンした右手が冷たく感覚がなくなり、左手もパンプしてくる。 掠れた喘ぎ声を上げながら四つん這いになって雪渓下から離れる。

四つめを助走をつけて潜り抜けると、とんでもなく明るく明るい源頭斜面が扇状に広がっていた。

ゴルジュを見下ろす

ゴルジュを見下ろす

源頭へ

源頭へ

まだまだ硬い岩を楽しみながら滝を越えると草付の中にナメと水が煌めく。 最後の二俣で水を汲む。左に入ればクシガハナの鞍部に簡単に上がれそうだが、時間もあるので水線を追いかける。最後は藪漕ぎを10分楽しんで極楽尾根に上がった。

最後の二俣

最後の二俣

高級ワインをラッパ飲みした感もある。しかし水無川北沢、味わうようなものではない。余韻・感慨・交感すべてそんなものは渓から天与されるのだ。

中ノ岳への稜線

中ノ岳への稜線

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