2018年8月4日~5日@錫杖岳前衛壁 左方カンテ・注文の多い料理店


◎参加者:荒木(L・記)、河原
◎天気:2日とも晴れ2018-08-04-09-00-00-large
◎コースタイム
4日
5:45 中尾高原口駐車場発
7:10-7:40 錫杖沢出合 BC設営
8:15 左方カンテ 取付着
8:40~12:00 左方カンテ登攀
12:30~13:30 懸垂5回で北沢側に降りる
14:10 BC帰着
5日
5:45 BC発
6:20 注文の多い料理店取付着
6:40~9:15 注文の多い料理店登攀
9:45 懸垂3回で取付に下降
10:30-11:00 BC帰着 テント撤収
12:00 中尾高原口駐車場下山
1週間前の土日に錫杖クライミングを会山行として計画したものの、台風12号の直撃により中止となったため、1週間後に個人山行として登ってきました。
3日(金)の夜に都内を出発して、登山口駐車場にAM3時前に到着。車は10数台しかとめられないのだが、ギリギリ1台空きを見つけて駐車できた。
あまり時間ないけど車で仮眠。
寝不足だが明るくなったので5時過ぎに起きて朝ごはんを食べたりして出発。予報どおり良い天気で朝のうちは涼しい。
去年と比べるとクリヤ谷の渡渉箇所はとても水量少なくて難なく渡れた。
錫杖沢に近づくと錫杖の前衛壁が見えてテンションあがる。
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駐車場はいっぱいだったし天気予報では好天が約束された週末だったので、錫杖沢出合のテン場も混み合うかもしれないと思っていたが、到着すると誰もいない。クリヤ谷の水も去年はザーザー流れていたのに、今年はすっかり枯れている。
テントを張ってクライミングの準備をして、早速登りに行く。
1日目は左方カンテ。去年も来ているので取付まで迷うことなくアプローチできた。
そして取付に着いても誰もいなくて、岩場全体とにかく貸切状態。
ツルベで順調に登り、トポの4P、5Pはつなげて登った。その次の5ピッチ目は左のフェースにカムを決めて登るのだが、出だしからかなりランナウトするし小さいカムしか使えないので緊張する。核心の6ピッチ目は出だしのワイドクラックを少し登れればチョックストンのガバに手がかかり、あとはチムニーからフェースを登るサーカスみたいなムーブで面白いピッチ。去年は時間切れでここまでしか登らなかったが、この後2ピッチを登って終了点に着くと景色が開けてとても気持ちいい。正面には槍穂高連峰がそびえ、その右には焼岳、乗鞍。そして後ろを見ると錫杖岳の本峰まで見えて、のんびりと休憩して絶景を楽しんだ。やはり錫杖はロケーション最高、しかし暑かった。

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左方カンテ2ピッチ目

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前衛壁の上からの槍穂高連峰

そこからは懸垂5回で北沢側に下降、途中で注文の多い料理店のルートを確認しながら降りた。
左方カンテはカンテといいつつルンゼやチムニーも多くてカムセットの練習にもいいルート。カムは#0.3~#4までの1セットで足りる。
テン場に戻るとやはり誰もいなくて、結局この週末は2日間ともに岩場もテン場も貸切であった。
時間は早いが、暇なので2人で宴会。
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注文の多い料理店の全景

2日目は注文の多い料理店。昨日飲みすぎたので、アプローチの登りで汗をいっぱいかいて辛いw
こちらの壁は西向きなので、午前中早い時間は日が当たらなくて快適に登れる。
1ピッチ目はⅣ級で確かにそんなに難しくはないが、あまり支点が取れなくてランナウトするし、一部岩が脆いところもあって朝一ということもあり結構緊張した。
2ピッチ目は左上するフレークからクラックの部分が面白い。あと最後の右に移るフェースのトラバースがリードは怖かった。
3ピッチ目からはコーナークラック、出だしの頭上のハングしたクラック越えが核心で、そこを越えたら強引にレイバックで少し登ってクラックに入り込む。クラックはワイドで手を突っ込むとヒンヤリ冷気が漂っていて気持ちいい。トポ(新版日本の岩場)では3ピッチ目は40mとなっているが、その中間点に立派なハンギングビレー点があるのでそこで切る。
4ピッチ目も最初にかぶったクラックを越えるとあとは少し傾斜の落ちたワイド、5番のカムをずらしながら登る。最後右にトラバースして水平テラスに出る。
5ピッチ目は左壁にあるダブルクラックを登って一旦草付きになり、その先右にトラバースして左方カンテの核心ピッチ上部に合流し、フェースを登って終了。このピッチもかなり上部はランナウトする。
さらに2ピッチあるが昨日登った左方カンテと同ルートなので、ここで終了。懸垂3回で取付に降りる。
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3ピッチ目のクラック

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4ピッチ目のクラック

噂に違わずとても面白いルートで高度感もあって、オンサイトできて良かった。そんなにジャミングは多用しないが、クラック登り(特にワイド系)のテクは必要。
このルートもほぼすべてナチュプロ。カムは#0.3~#5のセットで、4番は2つあると良く、5番は必須。
懸垂下降も支点がしっかりと整備されているので安心して降りることができる。
時間はまだ早いが暑くなってきたし、貸切の岩場で予定のルートも登れて大満足で下山、2日間、一般の登山者にすら出会わず静かで良いクライミングができました。
帰りは平湯の露天風呂で汗を流し、松本ではスイカ祭りをやっていて無料の美味しい試食スイカをたくさん頂いて、スイカも買って帰った。

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