2018年10月13日@一ノ倉沢本谷~三ルンゼ


◎参加者:高山(L)、上林(記録)

05:00 谷川岳ロープーウェイ駐車場

06:00 一ノ倉沢新道出合

14:25 国境稜線
16:40 ロープーウェイ山頂駅

金曜日の20時30分に飯田橋駅前で高山さんの車で拾っていただき、谷川岳に向かう。
登山指導センターは先客が数名いたため遠慮して 谷川岳ロープーウェイの乗り場から一段下がった無料の駐車場で車中泊。満天の星空だった。

朝4時半に起きると別働隊の荒木さんと河原さんの車が隣に停まっていた。
急いで朝食を食べて出発。まだ暗いので しばらくヘッドランプを点けて歩く。
一ノ倉沢出合いに付く頃には明るくなり、登攀用具を身に着けて出発。烏帽子奥壁凹状岩壁に向かう荒木さんと河原さんたちとは直ぐに別れて一ノ倉本谷を行く。しばらくはあまり濡れずに遡行できたが、衝立沢出合先で腰まで浸かった。
しばらく進むと大滝。ここでロープを出して高山さんリードで登る。高山さんはなんなく突破したが、上林は歯が立たず ヌンチャクやロープをつかんで、かろうじて抜けた。

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大滝の上は いやらしいトラバースもあったが、開けた開放感のあるスラブ帯。岩壁の上の方に日が差して とても綺麗で気分が良い。

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右上の方に南稜テラスも見えている。この日 一番気持ちが良い場所だった。
F滝を越えてしばらく登ると様相が急変し、草交じりの急な岩場となる。ここで沢靴からクライミング・シューズに履き替え、ロープで結び合って 全て高山さんリードで登り始める。
ここからは、濡れた岩場、草付きの岩場、ルンゼ、滝が延々と続いて全く気が抜けない。いやらしいトラバースも何度か強いられる。昨日一昨日でまとまった雨があったせいか どこもかしこも濡れている感じで緊張した。岩も脆く何度か岩を落としてしまった。正直 岩を落とさず登るのは不可能な感じ。
ひたすら登り続けてF3の基部に到着。見上げると黒々とした ヌメヌメの岩の上に核心部のチムニーがある。チムニー内は上から冷たいシャワーが降り注いで壁はヌメヌメ、残置のスリングもヌメヌメで抜け口のチョックストーンはオーバーハングしている。
ここを登らないといけないのかと思わず「マジすかー」と叫んでしまった。
高山さんは嬉々としてチムニーを突破したが、私は半ば引っ張ってもらいながら最後は膝でずり上がってなんとか抜けた。全身 下着の中までずぶ濡れになった。
クライミングシューズの中も水が溜まり、歩くと靴からグズグズ水が出てくる始末。全身冷え切るり、ガタガタ震えながら登り続けた。手はかじかみ、足先も痺れて感覚が無い。日の光が心底恋しいが、この頃から雲で日が翳り、その後は陽光を浴びることは一度もなかった。
上部岩壁の下部を左に巻くと本格的な笹の草付きとなるが、斜度が落ちず全く気が抜けない。交互に現れる岩と急な草付きを登っているうちに腕がパンパンになってしまう。ずっとリードで確保し続けてくれている高山さんは さぞ大変だろうと思うが自分の事で精一杯。
結局 最後の最後まで斜度は落ちず、石楠花の藪を抜けて いきなり国境稜線の登山道に出た。いやー 長かった。
沢靴に履き替えて、谷川岳経由で天神尾根を下山。高山さんは鼻歌混じりに歩いているのに、あっという間に見えなくなってしまった。
ロープーウェイの最終には余裕だと思っていたが、沢靴に履き替えてから足先が痛くてピッチが上がらず、天神平の到着は結構ぎりぎりだった。ロープーウェイ降り場で高山さんと合流し、別働隊の荒木さんと河原さんとも ほどなく合流して、上牧の温泉「風和の湯」に浸かって帰宅した。

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