2025年11月3日(月、祝)
太刀岡左岩稜マルチピッチクライミング (9ピッチ)
メンバー:荒木さん、塚内
ギア:60mシングルロープ、カム1式(キャメロット1~3は2個)
駐車スペース9:00、ルートの取りつき9:20、登攀開始9:30、登攀終了(懸垂下降で鋏岩下部)13:50、駐車スペース着14:20
このルート、荒木さんは2度目だそうです。私は4~8ピッチ目は2度目だが最初のクラック3ピッチと鋏岩のフェースは初めてだ。前回登ったのはクラックのルート3ピッチが開拓される(2008年、篠原さんと松原さんにより)前で、左側の林の中のアブミ用ボルトとフィックスロープを使って登ったのだと思う。鋏岩はフェースではなく被った面の下をあぶみ(A2)で登った。
今回の試練は岩場に向かう高速道路から。小仏トンネル内の事故で通行止めになり国道20号に迂回する。渋滞をくぐり抜けてようやく岩場にたどりつくとパラパラと雨を感じる。今日は雨の予報ではなかったのに。最悪の場合はクラックを登り終えたら降りると合意の上、登攀開始した。前には一組しかいない。(その人たちもクラックを登ったところでお先にと譲ってくれた。)
出だしはフィンガーサイズのクラック。指がかかりそうな所が何か所かあり、丸いふくらみを乗り越えて立つ。ムーブはバランシーで、フェースクライミングのように動く。上部は傾斜の強いややワイドのクラックを登る。フットジャムが出来ないと登れないが足を突っ込むと痛い。荒木さんは淡々とキャメロット#3を2個使って上部を登ったが。私はロープを張ってもらってやっと抜けた。(この最初のピッチでは知り合いのクライマーが落ちて足首を粉砕骨折したそうで、多分出だしで落ちたのだろう。)
2ピッチ目のクラックは5.7だそうだが…。ダブルクラックになっており、右側はハンド、左の広い裂け目の奥にガバが続いており、左手をかけて右に引ける。足置きがなかなか難しくて奮闘、ロープを張ってもらう。抜け口が登りにくかった。これが5.7か…と思った。荒木さんはカム3個で登って行った。
3ピッチ目のクラックはシンハンドで始まる。荒木さんは手のサイズが合わなくて苦労していた。その上のチムニーは体がすっぽり入るサイズで、背中の小さいザックをハーネスに吊るして登る。プロテクションは取れない。右のスラブ、チムニー奥の右側にあるクラックも登れるらしいが、私はチムニーを登った。片足を前の壁、もう一方の足を後ろの壁にあててずり上がる。テンションを入れながらなんとか登り切った。
4ピッチ目からは「岩稜歩き」とトポに書いてあるがリードは荒木さんにおまかせする。
荒木さんは50mぐらい進んで止まった。お互いに小型トランシーバーをつけているので話が出来る。出だしは3mぐらいのスラブ壁、その先の空中にロープが伸びて木のある所で逆くの字に曲がっている。
スラブを登り始めると足も手も止まらず、右往左往するのみだった。ゆる目のシューズの裏が古くてつるつるなので安山岩の表面にくいつかない。ロープを張ってくれと荒木さんに無線でお願いするが、はがれれば登った分だけ落ちる。長い時間が過ぎたあとようやくスラブを抜けた。次に難儀したのは左にクラック、右に凹角の岩場。さらにその右がスラブ壁になっていたが、どこを登るのかよくわからない。凹角を使い登るとかすかに過去の記憶がよみがえってきた。
2ピッチ分(たぶん)登ってリードに合流する。
そのあとも体は露出するし、プロテクションは少ない、ギャップをまたいだり、すこし壁を降りたり、リッジの上端を持って長いトラバースをしたり。ロープが空中に張られているところがたびたび出てくるのはユニークだ。けっこうメンタルがやられるが、本当に「易しすぎる」「岩稜歩き」なのだろうか?
講習会で合った高齢のクライマーがこのルートをガイドと登って肋骨を折ったと言うので、セカンドで骨折するのかと思ったが、トラバースではがれると振られる。途中で敗退も出来ないし。
強風の中、岩稜を4ピッチ登ってようやく鋏の根元に着いた。荒木さんがフェース5.8を登ってくれる。戦意喪失の私は「寒い。ここは省いてもいいのに。やっぱりマルチだから上まで行きたいのかな」とひそかに思ったが、荒木さんも「自分は行かなくてもいいけど、ロープをビレイ器にセットしたのはやっぱり行きたいのだろう。」と私のために登ってくれたらしい。(ありがとう!)
なんとか頂上にたどりつき、ダイナミックな景色を眺め、懸垂下降で鞍部に降りた。そこからは歩きで岩稜を横切って登山道へ。下り20分ほどで駐車場に着いた。無事に終わって良かった。気になっていた太刀岡左岩稜のクラック・ピッチと最後のフェースに触れて満足の一日でした。