2016年10月15日@一ノ倉沢本谷~4ルンゼ


◎参加者:高山(L)、有枝(記録)

天候:快晴16101509

400起床 430指導センター出発 520一ノ倉沢出合 620幻の大滝 730本谷バンド 1130一ノ倉尾根踏み跡 1150一ノ倉岳

今年は雪渓が極端に少なかったため完全に溶け、10年に1度と言われる幻の大滝が現れて沢通しに完全遡行ができる貴重な年。

前夜登山指導センターについたときには、すでに数パーティいた。
ここ2ヶ月ほど週末ごとに雨に見舞われていたが、今日は見事な秋晴れ。風もなく温かい。

一ノ倉沢出合でギア装着。ゴム沢靴が岩に吸い付くようで快適に登るが、リーダーが足早で、いつものように置いて行かれる。

左岸に固定ロープが張られている支点を使って登った後、左にトラバースする箇所で私は上に上がりすぎてしまい、ホールドはなくなり傾斜がやや強くなった。足をクロスさせると下の釜に落ちると感じてセミになり、リーダーに「ロープください」と言ってしまった。(これが後々も笑いのネタに。。。)上からリーダーは「大丈夫でしょう」と涼しげにのたまう。
ちょうど先行していたパーティの方が親切にも「僕の引くロープを持っていいよ」と言ってくださる。でも本当にロープを掴んだらバランスを崩してこの人もかなり落ちることになるだろう。ここは「落ちても釜だから」と気を取り直す。アルパインは親切な人によく会うとリーダーは言われるが、我々も人に親切にしたい。

狭い水流溝状のところでは、両側に足をステミングしたり手をつっぱたりして通過する。
その先で沢が開けてくる。

本谷下部より衝立岩~奥壁

本谷下部より衝立岩~奥壁

20m大滝

奥が20m大滝 すでに登り始めるリーダー

20m大滝を登攀するリーダー

20m大滝を登攀するリーダー

 スラブ帯より滝沢を見上げる


スラブ帯より滝沢を見上げる

本谷下部を見下ろす

本谷下部を見下ろす

 スラブ帯


スラブ帯

4ルンゼ30m滝

4ルンゼ

スラブの後、二の沢を過ぎるとゴルジュ奥に幻の大滝が現れた。20mほどでわずかに水流がある大滝だが荘厳な雰囲気がある。写真を撮っていると、リーダーは今日初めてロープを出し、定石通りの左壁の斜上するクラックをビレイなしで登り始めてしまった。残置ハーケンを2つ使い、持参したカムは出番なく見事突破した。

私も続いて登る。ザック(出さずじまいだった50mロープとクライミングシューズ入り)がいつもより少し重い。リーダーがビレイなしで通過した一つ目のハーケンのところが少し難しく感じたが、壁は乾いておりフリクションが良く効くので不安なく登れる。落ち口にはしっかりした支点があった。

ナメ滝を過ぎると壮大なすり鉢状のスラブが現れる。これが出合から見上げたときに立って見えた大スラブだ。南稜や中央カンテに取りついているパーティがいたが、遠くから見る我々はすり鉢のひだを登る蟻のように見えるだろうか。ここだけ異空間のように感じる大スラブを弱点を縫うように夢中で登る。左手には滝沢が見える。こんな逆層で切り立った壁を登る人がいるのかと驚きつつ見入る。

本谷バンドから4ルンゼを詰める。滝を6つほど超える。Ⅳ級くらいに感じる部分が随所にちりばめられていたが、ロープが出ないところでも落ち着いて登ることができたのが収穫だった。

滝は全体を通して水量はごくわずかで、少し水しぶきがかかっても暑いくらいの気温なのでかえって涼しく感じた。

一部ぬめっている箇所もあったが、乾いているホールドも多く、ゴム底沢靴で危なげなく登れた。残置ハーケンも豊富でルーファィは容易。

上部二俣で右に詰めると笹薮になる。ここでまたリーダーから遅れてしまいプチルーファイ。藪漕ぎでは傾斜が強い部分でリッジに出たほうがわかりやすいように思い行ってしまったが、リッジ手前では傾斜が強くなり危ないので、基本的に直上するのが正しいことも後で教わった。
リッジが一ノ倉尾根の踏み跡につながり、少し行くと一ノ倉岳に出た。

下山はロープウェイ。快晴で紅葉の真っ盛りとあって大渋滞だった。

最高の天気に恵まれ、快適なクライミングを心ゆくまで堪能し、夢のような1日だった。またとない機会をいただき、ありがとうございました!

 

 

 

 

コメントは停止中です。