2016年11月3日@太刀岡山左岩稜


◎参加者:高山(L・記録)、会外1名

0730駐車場発
0900取付
0930登攀開始
1250終了点
1330駐車場

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白嶺三山を遠望

16110309会社同僚の元ボクサーSとは、今年は本当に良く沢に行った。
滝登りと岩登りは似て非なるものだが、本人はすっかりクライミングも上手くなったつもりで「ジムはどうにも詰まらなくて」と一人前の発言。
悔い改めていただくために、初心者向けクラックマルチを計画してあげた。
とはいえ自分だってクラックの練習なんぞしたことはなく、いつもマルチの途中でクラックが出てくると死ぬほど怖い思いをしながらリードしている。連れていく方も命がけなのである。
前夜、亀戸の例会で経験者N女史に「太刀岡山ってどう?カムのサイズは?ロープはダブルなのか?」とお伺いするが、「4年も前だし、全然登れない頃だったから、必死に登ったことしか覚えていない」との返事。この人に聞いた俺・・・・いえ、がぜん緊張感高まり例会後の飲み会もキャンセルし翌日に備える。しかし家に帰ると嫁さんが出してきた肉ジャガに我慢できずビール・ワインと空けてしまっていた・・・
なんとか4時には起きれたが、運転は同僚にお願いして一路山梨へ。
笹子峠を抜けると、白嶺三山が車窓に現れる。昨夜の雪が山を高く神々しく一変させている。雪山シーズンが待ち遠しい。
沢ばかり行っているので手際はよく、素早い準備で先行パーティーを駐車場に置き去りにして歩き出す。しかしガードレールを転用した橋で川に落ちそうになる。踏み跡をたどるが、どうも背中側に引っ繰り返りそうだ。ピクニック気分で持参した食料や椅子の入ったザックのせいか、舐めきって履いてきたサンダルのせいかと反省しつつ、次第にガレてくる山麓を左に回りこみ、木をつかみながら登るがフラついて仕方なく、ようやく「これは二日酔いに違いない」と気づいた。同僚に尾根まで先行してもらい様子を窺わせるが、案の定「何もありませ~ん」。どうやらこのガレがエリア名「アリ地獄」の由来らしい・・・
この二日酔い状態で1ピッチ目からクラックをリードするのは無理だし、面倒になってこのまま帰ろうかと言いたくなったが、まだ時間が早すぎる。のんびり下って、右にトラバースしていくと、駐車場に置き去りにしたパーティーが登っているのが見えてきた。
いつもと真逆の展開だが、二日酔いを覚ましたいし、オンサイトは避けたいので、今日は有難い。もう1パーティー、年配の方が「俺たち2人で合計130歳、どうぞ先に行ってください」と譲っていただくが、「順番通り行きましょう、お手並み拝見します」と殊勝にお断りし、柄にもなくロープ繰出しをお手伝いしたりする。1478239106748

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駐車場から左岩稜を見上げる

しかし先行が右のハーケンラインを登ってしまったので、やむなくオンサイト状態で離陸。カム節約のため手前の段差はランナウト。いつもどおり適当に手を突っ込んだジャミングまがいで登りだすが、体が伸びきってしまい、まったく登れず。ビレイする同僚を振り向いてヘラヘラ笑って誤魔化す。しかし、この体たらくでようやく「足が重要だ」と気づけば、あれよあれよとスムーズにカムを決め、左のスラブのカチを使って終了点に。今までで一番しっかりクラックが登れて、すっかり気を良くして酔いも覚めた。だがフォローの元ボクサーがいけない。カムを掴みまくり1ピッチ目で腕力のすべてを使い果たして上がってきた。
2ピッチ目は奥のカンテも使える簡単なチムニーなのだが、ここでもフォローがカムを掴んで、♯1が回収不能。とりあえず上がらせて、ロワーダウンしてもらい自分で回収を図るが、ガチガチに押し込んでしまっており諦めるしかない。こんなしょうもないところで残置してクラックを汚してしまい本当に申訳ございません。今回は取付き間違いをして、他パーティーに先行していただいて本当に良かった。もし一番乗りだったら大渋滞を引き起こしていた。自分たちの後に誰も来なかったのも助かった。
3ピッチ目で、先行パーティーは左の薮岩を登っていたが、右の中途半端な幅のクラックへ。一瞬、「大介、登れないだろうな~」とも思ったが、今日はクラックがうまく登れて楽しいので、仕方ない。
14782391266164ピッチ目からは岩尾根。急に簡単になるが、風も強い。寒いので、早く上がってきてもらいたいが、クラックですっかり体力とリズムを失った同僚が慎重で時間がかかる。先行パーティーの声も聞こえなくなる頃、ようやくハサミ岩が見えてきた。
最終ピッチはハサミ岩の片刃のスラブなのだが、風も強いし面倒くさい。しかし宿題を残してはならじと登る、我ながら真正A型の性格だ。

B型の同僚も、すっかり凹んで「今日は体が動かなかった、腰が痛い」とぼやいていたが、では精進しようかという気はないようだ。とはいえ翌週の岩登りの相談をしつつ帰路についたのだから、今日も十分楽しんだ様子で、こちらも嬉しい。

※シーズンオフの久しぶりの岩登り。勘が悪くてドタバタでしたが、その分楽しめました。もし登りたい方いれば、私はフォローで、カムの破壊回収目的でハンマー持って登りたいので、ぜひお声がけください。
普通に登れば左岩稜は3時間で余裕で戻ってこれるはずです。残り半日は下部のフェースにイレブン前後のシングルルートが多くて楽しめると思います。5.10未満は少ないです。地元クライマーの方にお伺いして、ルート名まで特定済みなのでご安心ください。

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