2016年10月10日@八ヶ岳赤岳沢


◎参加者:高山(L)、有枝(記録)、会外1名

10/10祝(晴れ)

400起床 450美し森P出発  630出合小屋  715ゴルジュ入口  1215稜線登山道  1530美し森駐車場(真教寺尾根経由)

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このところ週末ごとに雨で、思うように予定が組めずストレスたまる。10月三連休も雨予報ばかりだったが、「体育の日」はさすが晴天特異日、見事に晴れた。

秋の凛とした冷たい空気に包まれる美し森を出発。夜明けにつれ、権現・旭・ツルネが朝陽に照らされ梢越しに見え隠れする。 地獄谷に入るのは私は初めてだが、リーダーと大介さんは冬に通い慣れているらしく、山行の思い出話が弾んでいる。

出合小屋でギア装着し、赤岳沢に入渓。連日の雨だが水量は少な目。天狗尾根の取り付きを左に見送り、倒木の多いゴーロ歩きしばらく、両岸が狭まりゴルジュのなかに小滝や10m滝が現れる。

10m滝は左から巻く

10m滝は左から巻く

水流中のスタンスはゴツゴツしていてフリクションが効き、快適に登れる。巻きも岩が脆く慎重さが要求されるが、小さい。

1476329603050高度を稼いでいくと、アイゼンとスパッツが着いたままの登山靴が、水流脇に転がっておりギョッとする。しばらく行くともう片足分と、白い大きな骨が。。。「ヒトの腰仙骨?」とリーダー(ヘルニア腰痛持ち)が呟いて空気が凍り付く。だが、よく観察すると角が生えた鹿の頭蓋骨だった。しかしアイゼン・靴・スパッツが付いたまま両足あるというのは、冬いったい何が… さらに行くと鹿の腐死体から異臭が立ち込めている。死の吹き溜まりとなった沢で遊ばせてもらってるが、一歩間違えれば私たちも同じ運命だ。過信なく慎重に行動したいと改めて思った。

7mCS滝 左壁を登る

5m滝 左壁を登る

8mCS滝 水流を直登

8mCS滝 水流を直登

 

 

 

 

 

 

 

7mCS滝は右壁を登り、早くも本日のフィナーレ8mCS滝。大きな岩の上に丸い岩、その上に平らな岩と三つの岩が重なっている。CSで狭まった滝芯を右から左へとズブ濡れになりながら、リーダーがアドレナリン全開のボルダームーブ。水の冷たさに叫び声を上げつつ見事に直登し、嬉しそうに「簡単だからフリーで登って!」とのたまう。「全日本・沢で濡れたくない同盟」に入会希望の私は、一瞬たじろいだが、他にルートもなく、泣く泣く軍門に下り、早く切り抜けたくて必死に登る。 登攀後は3人とも寒さで震えが止まらない。今まで経験のないほど冷えた。行動することで発熱するしかないと頭では思うのだが、震えが止まず体がこわばる。すぐに水枯れしたので救われた。あとでリーダーが「カッパ着りゃいいんだよ」と笑って教えてくれたが、登る前に言ってほしい。

ガレたルンゼになり二俣から左に入ると、沢というより切り立った崖になる。リーダーが脆い岩に弱点を見つけ登ろうとするが見た目よりホールド・スタンスが悪いらしく、クライムダウン。左へトラバースし、亀裂の入った脆い岩のガリーをノーロープで直上してゆく。あとで大介さんが「自殺行為です…」と嘆いたほどの悪場だった。さすがに私たちにはロープを投げてくれ、感謝。

1476329653823沢から上ると日差しが出て、冷えた体にありがたい。雲海の先に富士山や南アルプスが遠望でき、順番待ちのあいだに気持ちも休まる。ガレとハイマツの入り混じる斜面を大介さんリードで2ピッチ登ると、ハイカーが沢山見えてきた。その後はいつもの藪漕ぎもなく、稜線登山道が真教寺尾根に合流する地点にぴったり詰めた。

稜線から権現岳

稜線から権現岳

真教寺尾根分岐

真教寺尾根分岐

滝登りより、詰めの脆い岩が本日の核心でした。 休憩後解装し、真教寺尾根を下る。標高が高いところでは少し紅葉も始まっていた。カラマツ林から美し森展望台に出ると赤岳からの裾野が広く清里まで広がっているのが見渡せる。売店のソフトクリームの香りを嗅ぎ下界の空気を味わう。帰りはパノラマの湯でぬるめの温泉に入った。行楽日和の大渋滞で帰宅まで5時間もかかった。 今回反省すべきことが多々あった。リーダーから教えていただいた様々なこと(装備・地形図の記入・ウエア・沢での心構え等)しっかり改善していきたい。

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