【個人山行】2016年1月9日@横岳小同心左稜上部~小同心クラック


◎参加者:TY(L)、TH(記)

330起床 440美濃戸出発 640赤岳鉱泉着 720赤岳鉱泉発 820大同心ルンゼ手前 1010小同心クラック取付 1230終了点 1310横岳山頂 1420硫黄岳 1710美濃戸

今回の小同心クラックは、前回行った石尊稜よりグレードが上なので、手こずらずに登れるか少し不安な気持ちで参加する。
急傾斜だが一般登山道並みに踏み跡が明瞭な大同心稜を登ると、曇空の奥に大同心らしき傾斜が現れた。
小同心取付までどこかでトラバースしなければならないが、トラバースの踏み跡は見当たらない。というか、トレース嫌いのTYさんがわざわざトレースを追わなくていいよう一番乗りできるタイムスケジュールでここまで来ている。大同心ルンゼの先はガスで隠れて見えず、確信を持てない様子でTYさんはトラバースを開始した。草付混じりの大同心ルンゼのトラバースは微妙に悪くてTHは泣きが入る。しばらく進んでから右上していくと、草付と岩と灌木の混じった壁が立ちはだかった。そこからは小同心は見えない。たぶんこの上に上がれば行けると思う、と言いつつ、正規ルートを外したことは明らかで、一旦戻ることにする。右上したところを下っていると、先に進んでいたTYさんがまた戻ってきて、途中で小同心が見えて場所がわかったからさっきの所 つまり小同心左稜上部を登ると言う。戻って先ほどの壁へ。
ロープを結び、TYさんはグリップビレイで草付の比較的傾斜の緩いラインをジグザグに登って壁を越え、見えなくなった。すると、後ろから私達のトレースを追った後続の方が現れた。一応断っておいた方がいいだろうと思い、間違った所を登っている旨告げてみる。
するする出て行くロープを見ながら、TYさんが登ったジグザグラインを登るなら相当ロープが余った状態でロープいっぱいをコールしないと、と思いつつ、その状態で登るのも怖いよなあと思いながらタイミングを失し、ロープは一直線に張られた状態に。登っていいのコールも聞こえないが、ロープは張られて少し登るとたぐられている感もあり、登り始める。が、傾斜の緩い左側へは進めず、ロープのラインはほぼ垂壁でホールドもない。少し登って、やっぱり無理だとロープにぶら下がり、まっすぐは登れないからロープ出して下さいと叫ぶと、あと1mしかないからそこを登ってと言われてしまう。仕方なく、弱々しく出ている木というか枝をひっつかみ、フットホールドなんかないから適当に足を張って、ロープに引っ張られながら今日の核心はここか・・・と思いつつ何とか壁を上がり切る。そこからも急な雪壁を木や枝を掴みながら上がっていく。左右にトレースは見当たらず、ロープでラインが変わってTYさんとは違うラインを登っているようだ。やっと傾斜が緩くなり、TYさんに追いつかないなあ、50mって長いなあ、と思ったとき、コンテでTYさんが先に進んでいることに気付く。ちなみに後で聞くと、私がロープにぶら下がっていたときもずっとコンテで木に引っ掛けてビレイしていたとのこと。

小同心取付テラスにて

小同心取付テラスにて

そんなこんなで小同心基部に到着。いつの間にか青空が広がり、風もなく、景色も最高。TYさんは迷って試行錯誤の末に辿り着くのが好きらしく、ネットなど見ないで登山大系だけで情報収集しているそうで、取付きに辿り着けて晴れ晴れとしているようだ。今回、所期のルートではもう少し大同心の基部まで上がり切ってからトラバースを開始するはずが、トラバースの開始が早くて小同心左稜上部を登らされたということらしい。
さっきの壁の所で後続の方が来られたから間違った所と言っておきましたと言うと、取り付きに辿り着けたのだから間違いという訳ではない、と。バリエーションとはそういうものなのだと納得。ただ三連休の初日にこのトレース付けるのはありなのだろうかと素人THは考えてしまう。
青空を背に浮かび上がる小同心クラックは、もはや快適で整備された一般ルートにしか見えず、不安は吹き飛んでいた。

1ピッチ目 登攀中

1ピッチ目 登攀中

1P目、左上してチムニーに入り、2つ目のビレイ支点でピッチを切る。
2P目、一見手強そうな右のチムニーを登る。オーバーグローブを外すとガバだらけで、チムニーの外側に出てステミングとプッシュで登れば難しさは感じなかった。ここは左のフェースに引き込まれると難しくなるらしい。
3P目、ハングしたチムニーでこんな所登れるだろうかと一瞬ビビるが、やはりガバだらけで、とりあえず難しくはなかった。
小同心の頭までにもう一回くらいビレイをしたような。そこから横岳頂上直下まではなだらかな岩稜混じりの稜線で、コンテで快適に進む。横岳頂上直下は案外悪く見え、ビレイを入れる。

横岳から赤岳南ア阿弥陀

横岳から赤岳南ア阿弥陀

登り切ると、横岳山頂に飛び出して、本当に山頂に直接飛び出すのだと感動。ビレイ支点が山頂標識という所がもう一つの感動ポイント。雲は出ているが富士山も見える微風の山頂でしばらくくつろぐ。
あまりにも風がなく稜線歩きが気持ち良さそうなため、硫黄岳経由でのんびり下山した。

小同心取付テラスから大同心

小同心取付テラスから大同心

 

 

 

 

 

 

横岳から小同心を見下ろす

横岳から小同心を見下ろす

前泊なら美濃戸口の八2016年1月9日AM9時 天気図

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