2026年3月1日 蓮華岳 丸石尾根


参加者:川島 (単独)

冬のバリエーションルートとして前から興味があった蓮華岳の丸石尾根。
ここのところまとまった降雪が無く、厳冬期が終わったばかりだと言うのに早くも雪が無くなってしまうのではないかと心配している。北アルプスは雪が少なく、杞憂であれば良いが、まだ残っている間にと入り浸っている。

今回は初めての行程と雪壁を楽しむ目的がある。全く心象が無い所で、2400m付近に雪壁が有るという事以外は知らない。冬の扇沢は道路が冬季閉鎖されているので車では行かれず、通行止め地点から片道90分歩かなければならない。冬期にそこまでして登山口へ行き、そこから山に登るというのだから、余程の好事家に見えるだろうと自分でも思う。

通行止め地点には先行車が3台、後続2台。雪がちらつく中を出発すると、明るくなり始める頃に扇沢に着き、雪も止む。後続2台の二人一組が来て、赤沢に向かうと言う。その他に人はいない。
総合案内センター裏手の橋を渡り取付きへ向かうが、踏み跡など無いだろうと考えていたのに、しっかりとした物があり意外だった。使わせて頂いたが、雪は締まってとても歩き易く、歩を重ねなくても苦労はしない状態。丸石尾根はとても明るく美しく、たおやかで女性的であった。男らしさとか女らしさとか、私は何者でも無く先人の積み重ねに謙虚で有りたいので、躊躇なく表現する。

人気の無い扇沢

雪まくり

P2215mまで難無く着くと、テントが一張。ここは幕営適地で、振り返ると針ノ木から爺ヶ岳までの稜線が見え、奥は五竜や白馬も望める展望台だった。なるほど、話に違わぬ素晴らしい場所だった。
正面に核心の岩峰を捉え、準備して出発する。基部へ歩き出すが、ここから踏み抜きが多発。底が見えない程の穴もあり、注意が必要。岩峰に着くと少し疲れ、やれやれと登り始める。どこから登ろうかと考える。正面の岩の部分を木を掴みながら登ることも出来そうだが、雪壁を登りに来たのでそれは止める。ルンゼの左側も行けそうだが、それより更に左側に横移動して登攀。そちらの方が自然に足が向いた。上に行けば行くほど傾斜は強くなり80度くらい有ったかも知れない。雪の下は藪で空洞な所も多く、ピッケルが効きづらい。雪質も固まらず崩れるので足場も作りづらく、慎重に通過した。登り切った所に残置のスリングが有り一息。帰りは懸垂かなぁと考えながら後ろを向くと、後立山が一望。

爺ヶ岳から白馬方面

帰りに使った残置スリング
雪壁を登り切った所にある

ルンゼ直ぐ左側の方も面白そうで、再訪したい素晴らしい所だから、次来た時はそっちを登ってみようと思う。復路は懸垂。ロープを使わずに降りることも出来るとは個人的に思うが、危険度は高いかと思う。

岩峰を越えれば快適な稜線歩きで、周囲の山並みを眺めながら山頂を目指す。強風地帯だったが、東尾根との合流点からのそれも素晴らしく、そのうちこちらからも登りたいと思う。きれいな稜線で雪壁登攀も楽しめる丸石尾根。泊まりでも日帰りでも楽しめる眺望に優れた所だと思う。もっと春めいて来れば扇沢まで道が開通するし、荷物を軽くして針ノ木雪渓を降りて周回しても良いかもしれない。

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